「今週の一言(いちげん)」第345話なぜ、手元資金はカツカツなのか?
From 若い有能な起業家にお会いしました。起業して10年、会社の売上は億単位で伸びてきている
なのに、「なぜか資金が増えない、なぜだ?」そう話しだしました。
「ちょっと、資金が、いや会計がおかしいのですよね。売上はあります。取引先はしっかりしていて。
でも……ただお金が入ってきて、そのまま大きく出て行って。結局手元に残っていない」
「なぜ、売上が上がっているのに、手元の資金がカツカツなんだ?
経理のやり方が間違っているんじゃないか?」
経理・会計と一言で言っても聞く人によって受け取るイメージは違っています。
営業事務の担当者であれば、請求書発行や経費精算を思い浮かべるでしょうし、
工場長であれば、生産コストや原価率管理表を思い浮かべるでしょう。
お金との付き合い方
そこで、チェックリストを作りました。
会計を「営業会計」「財務会計」「税務会計」「資金会計」の4分野に分けて
それぞれ具体的な項目(例えば請求書発行・借入金など)24項目を列挙しました。
さて、ご相談の起業家は、チェックリストにマークを付けました。
「僕が知りたいのは、月次売上の動きと、個別の原価。そしてキャッシュフローだ」
「経理が僕にその情報を提出できないんだよ……」
コロナ禍のこの時期に売り上げを伸ばしているなんて、凄い!
周りの同業者からは、凄いと思われているけれど、
売り上げの伸びで笑顔だったのは数か月、今は資金で顔が暗くなってしまいました。
キャッシュフローと売上拡大
会社の拡大は、二面性を持ちます。
売上が伸びるほど、成功したと思う。
確かに、売上は社長の心も社員の心も明るくする。
「売上はすべてを癒す」って、その通りです。
それは、大きな売上が大きな利益という夢を持ってくるからです。
でも、キャッシュフローの現実から見れば、
利益が見える前に仕入資金も経常経費も先行して大きな勢いで出ていく。
夢をかなえる前に、手元資金不足で沈没しそう……。
一体どうすればいいんだ!!
あなたのための財務戦略
自社のキャッシュフローをつくりましょう。
社長個人のキャッシュフローも、つくってみましょう。
資金繰り表を活用することです。
お金に悩まない起業家はいません。
そして、お金に悩まないで、会社を成長させる正しい解というのも、ありません。
なぜなら、みんな人それぞれ状況が違うからです。
会社の状況も、個人の状況も、そして理想の未来も違います。
自分のキャッシュフローの特性を知ることです。
人任せでなく、自分で自分のキャッシュフローを作ってみるのです。
短期的に個人資金を増やしたいのか?
そうではなく、中長期的に会社を成長させていくのか?
あなたの意思決定が、あなたのキャッシュを決めるのです。
誰かが作ってくれた予算案通りで経営が成り立つなんて、
まさか思ってませんよね、社長さん。
―ノグチ
P.S.
経営って、キャッシュのプールなんです。そこに売上っていう川が流れている。
売掛金も在庫も、キャッシュが流れ込んでいる。流れをよくわかっていないと、もっと大きな流れが必要だと思い込んでみたり、急流に無理やり進んでみたりしちゃいますよね。
あなたの資金を増やすには、どこの蛇口がいいのか?一緒に考えませんか?
お問い合わせは→ https://www.n-keiei.co.jp/inquiry