代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第203話3年後の自分から、今の自分を見る。

From ノグチ

桜舞い散る、練馬区の桜並木の通りで、、、。

 

 

 

「大変だ!

息子にこんな想いをさえられない!

とにかくそう思って、契約したんです。」

 

「だから、契約が終わったら、

契約書は、金庫に入れて、お仕舞い。

見返さなくてもいいや、と思っていました。」

 

相続税対策が、事業承継に繋がる?

中小企業の経営者の大きな心配は、事業承継。

商売をついてくれるかどうか。

商売の継続に、大きく立ちはだかるのが、相続問題です。

 

父親が、多額のコンサル料金を支払って、相続対策を実行した。

大きな土地の承継をした。

多額の税金を払った。

 

相続対策は、完了ですね。

これからは、お金を貯めて下さいね、お父さんも安心するから。

相談した税理士から、そういわれた。

 

相続対策と言っても、何が対策になるのか実感のない侭

多額の納税をした。

納税の手配をしてくれたのが、銀行の支店長だった。

 

こんなに大きなお金を動かして、いいのだろうか?

税理士への信頼半分・不安が半分。

 

しかし、銀行支店長から、

「そうですか凄い決断をしましたね。さすが社長は違いますね。」

あ~、大丈夫か、、、大手銀行の支店長からお墨付きだと、胸をなで下ろしました。

 

心配してくれたのは、支店長だった。

大口の支払手続きが完了して程なく、銀行の支店長から連絡が入りました。

「大変でしたね~、今後の対策で協力できる事があるかも知れませんので、

一度お伺いして、、、」

 

大手銀行の支店長は、この地域の経営者の相談に乗っていると話します。

「相談に乗りますよ」と穏やかな口調で話しをします。

すると、お子さんの事はいかがか?と水を向けられました。

 

相続で、こんなに心配をしなきゃならないなんて、、、

子供には、こんな想いをさせたくない!

そうですよね!

 

とんとん拍子に話が進み、大口の保険に加入。

あ~、これで全て終わった。

これで安心だ。

 

一年ほど経ってから、父親の口から体調不良の話が出るようになってきました。

高齢だから仕方がない。

病院だとか、介護だとか、お金がドンドン出ていく、、、

 

そこで、ハタと気がつく、、、、

なぜ、父親にお金がないのか?

 

相続の対策を沢山実行した。

父親の現金がなくなることが良い対策だと信じていた。

ドンドン減らしていく対策をとったので、相続税は低くなる。

 

税理士が、「これだけあれば、納税できますね」と言ったのは、

現状の商売も順調で、手持ち資金が減らずにいるのが前提条件

父親の病気や、介護に使う資金など、想定外だ。

 

3年後、どうなっていたいの?

金がないから、充分な介護をしてられない。

それじゃ、資産を相続する子供として、本末転倒。

親が手にしている財産は、本人のために使うべきお金だよね。

 

事業承継してほしいから、、、、

子供には迷惑かけたくないから、、、、

相続対策は、子供のためだから、、、、、

 

相続税の不安から、

お金を減らしていくのが一番だと思っていたけれど、

現実は、もっとお金を増やす方法をとることじゃないか?

 

3年後、もし、高齢の父親が亡くなるとすれば、

私はどういう状態で父を看取りたいだろうか?

場所は、家族の状況は、そして心持ちは?

 

時間軸。

3年後の自分から、今の自分に何を言うか?

 

「まだ、自分が父親の相続も終えていないのに、

自分の相続を想像して保険に入るのは時期尚早でしたね。

父親を見送ることに集中しますよ。」

 

そうおっしゃった経営者の顔は、すがすがしく輝いていました。

 

―ノグチ

 

PS.

私ごとですが、昨年父親を亡くして、相続手続きを進めております。

遺族年金なるものを、母親が受けられるとなり、ありがたいやら、これだから年金は国家予算を食いつぶすと思ったり、、、。いえ、全くありがたいです。

思わず、年金事務所の担当官に「先生、ありがとうございます!」