「今週の一言(いちげん)」第84話特別あつかいをする超優良顧客を決めるから、経営方針は強くなる。
「古くからの固定客ばかりで、これじゃだめだなとず~っと悩んでいました。
客数が伸びないから、売上が伸びない、というのは思い込みでした。思い込んでいるから、新しい商品を提案しない、新しいサービスも開発しないに陥っていました。来店サイトが短くなっているのさえ、鬱陶しくなっていたんです。」
店舗開店から10年目、安定した経営体制になっていると自負があるのですが、なにか、物足りないな~と感じることが多くなりました。
ときめくことが、少なくなっている…
独立する前は、いろいろな店舗で腕を磨きながら、自分が経営したらどうしようと、たくさんの夢を持っていました。
そして、不安の開店当時、そのワクワクどきどきが懐かしく思い起こされます。
売り上げの予算さえなかったのに、ワクワクしていられた当時と違って、今は安定した顧客層があります。
しかし、安定が枠になり、新たな広がりが見えない。
安定顧客を、古くからの担当者に引継ぎ、商売は安定しているように見えます。
しかし、顧客は年齢があがり、いずれじり貧。
若いお客様がふえていく感じがない。
そうだよな~、同年代の従業員がいなくては、若いお客様は入りにくいだろうな。
なにかもやもやしてしまうのは、方針が決められないと感じているからです。
格好いい経営者でありたいのに、優柔不断なところは、従業員に見せたくない。
でも、何を軸にして、考えていけばいいのか不安になってしまったのです。
商工会の勉強会にいけば、見込み客の要望を捉えてと聞くべし、と。
それはそうだと思うけど、じゃ、ウチは何がいいんでしょうね、なんて、急にお客様に聞ける訳はありません。
売上を上げる利益を上げるは、何時の世でも全くぶれない事業の目標です。
しかし、具体的な方法は、今の自社のお客様に合わせた戦術です。
これからの見込み客ではなくて、今のお客さま、今の得意様にあわせた戦術です。
私がお客だとして、初めて入ったお店で、
「なぜ、ここに来たんですか?
「なぜ、何処がイイと思ったんですか?」
「うちは、ここがいいんですだから次も来て商品を買って下さい。」
などと話かけられたら、きっと、その時は「ええ」といっても次に行かない。
聞けるのは、今のお客様、特に超お得意様です。
なぜなら、顔見知り、普段から本音も話している可能性有り、しかも話したくてしょうがない方にマイクを向けるわけです、聞けないわけがない。
さあ、まず、超お得意様のカテゴリーの区分の仕方です。
仮にお店の客単価が、@7000円だとしましょう。
とすれば、超お得意様は、年間購入金額が、5.6万円以上の層です。
1ヶ月に一回~1.5ヶ月に一回、購入下さるお客様です。
商品によって、ランキングの金額は上下します。
例えば、一回の客単価が、10000円であれば、超お得意様は8万円以上です。
頻繁に顔を見せていただけるお客様が上得意であることは、業種を問いません
価格設定・商品構成がうまくいっていれば、上位20%のお客様が、売上の80%を占めるものです。
これは、パレートの法則と言って、どの業種でも当てはまるものです。
逆に、そうなっていないとすれば、お店の戦略に何らかの問題があるのです。
まず、お客様の売上に応じたランクを決め、一年間の集計を取ってみて下さい。
お金を儲けるには、「お金の数学」は欠かせないのです。
もし、10年前にお客様になっていただいてから、毎月来店される超優良顧客であり続けてくれたとすれば、そのお客様の価値は、
お店の客単価@7000円×12ヶ月×10年=84万円です!
このお客様が、何かに不満をもって来なくなったとしたら、いったい何人の新規顧客が必要になりますか?
客単価@7000円のお客様を12人をとれば、同じ事でしょうか?
「一回買って終わり」、定着しないお客様がいるのは、みなさんよく知っています。
「知らないお店のチラシはゴミ箱行き」これもみなさんよく見ます。
「お店の不満は、蜜の味」広まる危険も、みなさんよく知っています。
全くお店を知らない客層に向けて、情報を発信して、84万円を得るには、いったい、いくらの予算とどんな計画が、必要になりますか?
通販事業では、一人のお客様を掴まえるのに、10000円必要といいます。
仮に平均顧客価値が、20万円、定着率10%とすれば、
必要な客数 84人=84万円÷(20万円×10%-10000円)
一人のお客様を失うと、84人の新顧客の獲得に奔走することになります。
お金の数学では、さらにその業務に費やす経営者の時間と労力が加わります。
超お得意さんには、特別あつかいをしていいのです。
特別あつかいをすると、お店の良いところを教えてくれるし、人様に口コミして下さるのです。
口コミは、価値観同じ人たちに繋がっていきます。
超優良顧客のお友達は、次のお店の優良顧客になる可能性が高いのです。
お金に好かれたいとお思いのかたは、お金の数学をお使い下さい。
顧客を知る、数字があります。
顧客を保全するために使ってもいい金額が分かれば、自信を持って営業が出来ます。
唯、売上を上げましょう!と叫んでも従業員の行動には響かない。
一人平均7000円の客単価を10000円にするには、どうしよう。
お客様にお話しを聞く、小さなパーティーはどうか?
新規顧客10人が、3ヶ月後に1人は寂しいから、3人にするには、何をする?
担当を決めるのもいいね、手紙かな?ラインかな?かかりたいね。
顧客の数字は、従業員にとっても、やる気を持たせる大事な指標です。
指標のかけ算で、売上目標を組むのは、経営者の大きな仕事です。
経営方針は、財務予算の裏付けがあって、実行できます。
特別あつかいするお客様を決める基準も、従業員が分かる行動目標も、
お金の数学を知って、使って、もっと儲かりましょう。