「今週の一言(いちげん)」第222話消費税を払わなければ、得をする?
Fromノグチ
平成元年の思い出…美味しい食事に手がつけられない理由
「だって、医者は消費税払わないのよ、得じゃない。」
「君は何言っているんだ!払わないのは、もらってないからだろう」
「医師会で決めたのでしょう!、武見先生を推すって」
(夫人の言葉を遮って!)
「ボクは、反対したよ、だけど反対は二人だけだったんだ!」
突如、目の前で夫婦げんか…
ところは、茨城県○○市、日本料理店のお座敷です。
病院の理事長は医師、経理部長は夫人です。
医療法人の決算が終わって、報告後の会食の時間です。
綺麗に並べられた皿・小鉢・椀モノ
手にした箸をおいていいのか、、、、。
もらってないのに、払ってる…損じゃない!
「ねぇ、ノグチ先生、納税がないことと、得は違いますよね。
この人は(夫人に顔を向け)納税がないと、得だと思うんですよ。
それって、損してることだと思うんですけど」
永年経理をしている、お金を管理している、資金繰りをしている人が、
急に経理の内容が分からない…と、いわれているように感じているだろうな。。。
夫人も、目を△にして、こっちを見ている。。。
消費税導入から間もない平成元年の初夏、
茨城県○○市、日本料理店の窓からは、綺麗な緑の田が見えていて
お座敷はクーラーが効いているのに、汗が出てきます。
箸袋を広げて、長方形の形にして、
その長辺を半分に折って、
その折り目まで、上から紙をちぎっていきました。
(先生のおっしゃる意味は、こういうことですよね。)
(収入には消費税が付いてないけれど、支払う経費には消費税が付いている。)
「そうなんだよ。。。
ボク、間接税をよく勉強したんだ、だから分かるんだ。」
(医療の現場では、消費税がつかない人件費が大きな費用ですから、
支払っている消費税は、現状ではどうでしょうね。
それほど損ではないかもしれませんね~。)
夫人のホットした表情。
私も早くホットしたい。。。
平成3%、令和10%
3%時代の医業の数式は、
売上100 - 原価52 = 利益48
3%時代の消費税を支払う事業の数式は
売上103 - 原価 52 - 消費税納税 1 = 利益50
差は2。
タダシ、桁は、万なのか億なのかは分からないけど。
当時は3%だった消費税は、平成9年に5%、平成26年8%となり、
今年、令和元年10月からは10%になる。
10%時代の医業の数式は、
売上100 - 原価55 = 利益45
10%時代の消費税を支払う事業の数式は
売上110 - 原価 55 - 消費税納税 5 = 利益50
税率が上がれば、手元資金の差もドンドン広がっていく。。。
消費税を払わない、イイ業種だと思っていたのに、
消費税がかからない経費=人件費を圧迫していきます。
大学病院の無給医問題は、消費税が一因かもしれませんよ。
―ノグチ
PS.
税が注目されるときは、必ず“節税ビジネス”が出てきます。
“消費税還付ビジネス”と呼ばれています。海外に輸出すれば、消費税は払わなくてイイと言う話をよく聞きます。
でもこれ、医業と同じ数式になりませんか。相手からは消費税を預かっていないけど、経費に付いてる消費税は払っているーーということです。