「今週の一言(いちげん)」第79話消費税も法人税もかからない、しかも売上を確保する手もと現金のつくり方
「まだ未入金なのに、消費税を払うんですか?手もと資金が不安ですよ。
入金早めてくれって今から言うのも、、、ウチの業界の慣習ですよ。今までの流れで納品してから、一ヶ月後に支払って下さい、と言う流れなんです。
確かに企画書を出す段階で、オレのあたまの中では仕事の80%は終わっていますよね、そこで前金で入金があれば、それはやりくり楽ですよ。前にもらっていれば、外注さんにも無理が利きます。イイ仕事してもらえますよね。
前金だと、決算なのに 消費税払わないの?法人税も? 」
手もと資金を増やす方法の大きな一手は、前金をお預かりする方法です。
もちろん、手もと現金を増やすには、売上を上げる事が重要です。
売上と受取のタイミングを最適化して、大きな効果が出だす事例です。
スターバックスをご存じですか?
毎日のようにスタバでパソコンを広げ、うち合わせし、仕事をしている人が大勢いらっしゃるようです。
そのスタバのプリペイドカード「スターバックスカード」はご利用ですか?
このカードにチャージされて未使用の金額が、「前金」です。
スターバッックス・コーヒー・ジャパン27年第3四半期の決算報告書、財政状態に関する説明では、下記の記載があります。
「…スターバックスカードの預かり金残高に対する金銭信託が600百万円増加しました。…スターバックスカードの預かり金等の前受金が1882百万円増加したことによるものです。」
ここには、スターバックスは、平成27年12月日本で約19億円前受金をいただきました、と書かれています。
さらに、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、平成28年には、全世界規模で、なんと約1440億円もの前受金を集めているそうです。
まるで、ちょっとした銀行ですよね。
スターバックスカード=預かり金は、決算書貸借対象表の負債の欄に記載されています。
プリペイドカードの残金は、預かっているだけだから、会計上は負債です。
負債?と不思議に感じるかもしれませんが、スターバックスからすれは、お客様にコーヒー数杯分ずつ借金しているようなものです。
お客様にコーヒー数杯分ずつ借金しているだけでは、消費税は課税されません。
売上になっていないので、法人税も課税されません。
スターバックスは、これから収入になるお金を、前もって手に入れています。
将来の売上を事前に手に入れて、しかもそれは課税されないお金です。
それがそのまま、金銭信託に6億円預金です。
社長、これって、うらやましくなりませんか?
6億の金銭信託も少し(?)うらやましいけれど、それよりも「凄いファン」が出来ている仕組みが、うらやましくありませんか?
人の心理は不思議です。
前金を支払った人の方が、さらに頻繁にスターバックスを利用するようになるのです。
お金を預けてくれて、しかも、そのファンは定期的に、「忠誠心」があるかのごとく、お店を使ってくれるのです。
「リピート客」になっているのです。
自分の知り合いに「カード」をプレゼントするのです。
多分にプレゼントされたカードは、「嬉しい記念品になって」大事に保管されるのでしょう。
前述の決算書には、これまた営業外収益に「プリペイドクーポン失効益2000万円」が記載されています。
ただただ、スターバックス様に貢献するお客様が、存在します。
この仕組みは、「メンバーシップ・エコノミー」と呼ばれるモデルです。
前金があると、資金繰りは格段に楽ちんになります。
定期的に収入があるのでキャッシュフローがよくなります。
日々の売上のプレッシャーから社長を救ってくれます。
ノグチの「即効!手もと現金を増やす」セミナーに参加いただいた前述の社長さん、
一件前金の契約を取り付けたと報告をいただきました。
社長さんは、「お客様がより積極的に当社を利用し始めた。」と話し出しました。
そりゃそうでしょう、お金を払うと、自分のしたいこと、ほしいモノを手に入れようと、お客様も一生懸命になるのです。
前金のお客様の仕事は、一生懸命に関わって、早く完了しました。
出来映えが気に入ったのか、お客様は知人を紹介してくれました。
ご紹介の席でお客様からでた言葉に、社長は冷や汗をかいたそうです。
「早くほしかったんだよ。この人は、ほしいときに対応してくれたから」
技術や企画の良さで充分販売できていると、勘違いしていました。
お客様のニーズは、「早いこと」
もちろん、技術があるのは、あたりまえの話です。
「お金をもらっていないから、いいや、これ後回しに、と、勝手にしていた訳だ。」今までは、社長が納期を守らない理由を、お客様の支払のセイにしていたと気づきました。
その言い訳は、社長の利益を消していました。
企画書をだし、制作をする期間が長ければ長居ほど、経費はドンドン出ていきます。
経費が出るとは、お金が無くなることです。
やっと出来て、製品を納品します。
すると、税務署は、消費税と法人税の納税をしろと言います。
お金が無いから、納税資金を借りなきゃ。
金利の分、銀行に頭を下げる時給分、税理士さんに借入書類を作ってもらう報酬分、お金が余分にかかります。
同じ仕事を、前金にするだけで、お客様が期待を持ち、協力して社長の基準の「納期、コスト、品質」を実現出来て、適正利益を得られて、しかもお客様のリピートに繋がるのです。
スターバックスが業界でトップの地位を取っている要因の一つは、このファンの期待を一身に集める戦略にあります。
お客さまが、前金で払うことがイイと思う仕組を取り入れることは、売上を安定して拡大させる強力な戦略です。
御社に利益をもたらす、取り組むべき仕組みです。