代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第11話数字嫌いのための儲かる7つの数値の法則。儲かる数値計画と会計事務所作成儲からない数字計画の違い。

「もう商売やめようとまで思ったけど、言われたとおり単価を生地の5倍にしてみたら、お客さん何も言わずに買っていくのよね。買う人は金額を言わないよ。買わない人が高いって言うのね。」

 

地方都市で、母と娘で手作りの服を販売しているI店長さんから、連絡があったのは昨年末のこと。当時は、もう手作りの店を閉じようと考えて、新規になにか商売ができないかとの相談でした。

 

時代のせいにはできませんが、今時、布地を買って手作りをする人は、少数派。

幼稚園児用の袋を作っても、値段で中国・ミャンマーに負けてしまいます。

高級生地の肌触りより、原色キャラクターのプリントの方が、断然人気です。

 

さて、この方の三大特徴は、

①布地が大好き、この生地素敵といわないお客には売らなくていいというほど

②人の面倒を見るのが好き、お節介して「だいじょうぶ〜だー」が口癖

③数字は大嫌い

 

感性で商売をする女性です。

会計事務所の先生とけんかして、顧問契約を解除と口走り、ノグチに相談です。

 

そもそも なぜけんかになったかと言えば、いったいウチは儲かっているのか損をしているのか正確に知りたいと会計事務所の先生に質問したところから始まります。

会計事務所の先生は、正確に知りたきゃ、毎日棚卸しをしなさい。とおっしゃった。

 

エッ!棚卸しがどれだけ大変か!毎日なんてできない!!商売を知らない人だわ!!

 

店を開くのは、あんがい簡単です。しかし何も考えないと、簡単につぶれます。

ず〜っと商売を続けるには、どうなりたいのかをしっかり思い描くこと。

次に、その思いを達成するためには、具体的に何をしていくのか、という計画が必要です。そう計画は、どうなりたいかの思いを達成する行動を描くのです。

 

会計事務所の先生も店長さんも、計画は、売上高、仕入高、棚卸などの数字で会計事務所が作るものと、思い込んでいました。会計事務所の先生にとって棚卸しは、利益を確定するために絶対必要な数字です。けれど、店長さんからすれば「宝の山」。

毎日商品が生まれていく、つまり毎日増減するから棚卸しは簡単にはできない!のです。

 

バブル時に当時珍しかったエプロンのオーダーや、展示会を開いて大きな売上を得たことがあります。新聞にも取り上げられニュースになりましたが、終わってみると店舗売上は、伸びませんでした。どのパターンでもすぐに制作できるよう生地を仕入れましたが、売れるものは限られ、在庫は大きく残ってしまいました。

 

ますは、店長さんに聞き取り調査です。

どうなりたいの?「生地が好き、この思いを届けたい」

誰に?「買ってくれる人がいるのよ、新しく仕入れると、決まった形で縫製して」

彼女には、上得意がいるのです。その人とだけ商売すればいいじゃない?

「え!それで商売になるの?」

 

それで商売になる!には、利益が出る行動計画が必要です。

彼女のこだわりの素材は、「夏でも冬でもリネン」上質な輸入生地です。

デザインは、「この地域で生活する中年女性のおしゃれな生活着」

価格は、生地の5倍の設定。利益がなければ続けられません。

 

最も大事なのは販売方法

まず始めたのは、購入単価の高い上顧客のピックアップです。

何のことはない、得意客は台帳にしっかりキープされていました。新しい生地が入荷すると、自分にあったデザインで一着は提案してほしいと、サイズ表を残してあります。

 

上得意先30名様ピックアップし、来店プレゼントをつけたご招待はがきを作りました。

7種類のパターンで服のデザインをたっぷり目に作成。そのうち2種類は、店長母娘が着用してお客様の前に。残りは、マネキンに着せ、ディスプレイしておきます。

 

必ず5着の試着を誘導します。この人にはこの一着と思った服は最後にとっておきます。

たっぷり目の見本は、「あら、貴方細いのね」の感激を増大させます。母と娘の着用は、コーディネートの見本を提供。結果最後の一着プラスONEのお買い上げです。

 

元々この7着は、上得意先それぞれに似合うよう、仕入れ制作された服です。

見れば欲しい、触れば購入。

欲しいと思うと、値段は見ない。だって元々この店安いんだもの。

次第次第に、「私のために」作られたと感じる人が、増加していきます。

 

儲かる7つの数値の法則は、お客様に購入の決断を迫ります。

7±2が、実際に購入する決断をさせる数値です。

200種類もの商品を並べた展示会よりも、5着の試着のほうが購入につながります。

 

思い描いた商売は、自分の好きな布地のオシャレ生活服を間にお客様と会話する。

続けられる数値は、18000円×2着×3人×23日×12ヶ月=2980万円

儲かる7つの数値の法則は、商売が続けられる行動を計画させます。

 

儲かる商売は、「売れなかったという事実を見る勇気」と「改善策を実行する行動力」その上に「よかった行動をピックアップして繰り返す」しつこさの上に成立しています。

経営者が楽しんで行動できる、たった7つの数値を追っかけるだけ。それだけです。

 

儲かる7つの数字の法則を、使ってみませんか?