代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第75話手許現金をふやす7つの法則

7月27日

「商売は、利益をださなきゃいけないんですよね。ただただ売上を上げることばかりに気持ちが行っていて、売上金額が大きくなれば、利益率なんてそんな細かいこといいじゃないかと思っていました。

でも、少子化ですよね、高齢化ですよね、安くしても大量には売れないわけだ。

適正な利益をいただく考え方が大事ですね。」

 

経営者なら皆、おカネ回りがよい経営をしたいと思っています。

もっと儲かりたい、もっと資金が楽になって、貯まるといい、そう思っています。

だから、おカネ回りがよい経営と言うと、ほとんどの社長さんが、こう答えます。

 

「おカネ回りがよい経営?それはね、売上を上げる事に決まっているじゃないか。」

 

「おカネ回りのいい経営になる」お金を増やす方法は、7つしかありません。

1.売上を上げる

2.支出を減らす

3.資産を減らす

4.生産性を改善する

5.借入をする

6.資本金を増やす。

7.受取と支払のタイミングを最適化する。

 

社長さんの答えは、大正解です。

売上を上げることは、カネまわりのいい経営には最高の方法です。

 

ところが、通常は、売上を増加させるには、仕入のための資金も販売するために販売費もと、前倒しでお金が必要になります。

 

ここが落とし穴になってしまうのです。

 

「確かにそうだね。ウチ売上は上がっているのに、ここのところず~っと利益同じ。だから、給料だって上がらずですよ。前よりずっと稼いでいるのに、利益上がらないってどういう訳だろう?」

 

そばにいた若い営業マンがボソッと一言いいました。

「社長は大口の契約になると、すぐ少し引きますよって口に出しちゃいます。

確かに大きな契約だし、契約が決まれば、うれしいけど、大型契約を一生懸命やって、それで賞与もでないんじゃ、なんだか面白くもない。」

 

「だってしょうがないよ。売上を上げなきゃいけないでしょう。拡販するとは、量を増やすことですよ。少々安くしても販売数を増やすことこそ、お客さんが増えて当社の売上が上がる事なんじゃないですか?気分よく値引かなきゃ売れませんよ。」

 

売上は、利益を上げるために必要です。

利益がないと、給与も払えません、

たくさんの利益がほしいから、大口の売上を上げればいい。

 

さてさて、一番大きな落とし穴の前にきてしまいました。

販売数を増やしたい→そのためには新規顧客の開拓だ→新しいお客さんを増やすには→そうだ!安くすればいいんだ。

考えがショートサーキットしてしまいました。

 

利益がほしいはずなのに、大口の売上を値引きで確保して、利益が不足する

やっていることが逆ですね。

同じ利益率なら売上額が大きいほど利益額が大きくなります。

しかし、大口契約でも値引きをし営業費をかけて努力して利益額を削ることになっています。

 

社長さん、テレビに影響されていませんか?

「ちょっと待って下さい!もう一袋おつけして、このお値段!」「わっ!安い!!」

売れている通販販売でよく見る場面です。

 

大手メーカーの販売戦略は、高い利益率・大量に消費出来る商品を、テレビや雑誌などのマスメディアで連呼して、販売地域を全世界に広げる商法です。

なぜ安く大量販売が出来るでしょうか?

 

その理由は、もともと利益率がとてつもなく高い商品だから、です。

大幅に値引いても一定の適正利益をあげられるからです。

まねすべきは、高い利益率にできる方法です。

 

さらに大量に消費させたいがために、世界に販売地域を広める戦略です。

今は日本一狙いではなしに、世界一を狙う企業が生き延びます。

理由は、日本の消費人口が減少しつづけるからです。

日本だけで、一定の地域だけでは、大量消費を求め続けてはいけない時代です。

 

今年6月に内閣府から発表された「高齢社会白書」に、人口の推移予想が記載されています。

東京オリンピックが開催予定の2020年、人口予想は1億2532万人です。

2015年の1億2709万人より177万人の減少予想です。

しかも高齢者が増えて、商品の購入意欲が強い15才から59才は減少しています。

 

世界の消費人口は増えているのに、日本では消費人口が減っていく、少子高齢化社会だと、日本国内閣が発表したのです。

 

では、この時代にどういう売り方をすれば、生き残っていけるのでしょうか?

私たちは、世界一の少子高齢化社会対応の売り方を実践していくしかないのです。

 

それは、大量販売=大量消費を狙うのではなくて、適量の生産販売体制と適正利益率をいただく販売方法です。

適正な利益こそ、企業を存続させる実質的な力です。

 

つまり、あなたの会社は、自社の営業分野で世界一の少子高齢化社会対応の販売体制確立会社として生き延びるのです。

 

さあ「おカネ回りのいい経営になる」7つの方法を、もう一度ご覧下さい。

1.売上を上げる

2.支出を減らす

   …

売上を上げるために、値引きをするというのは、値引きという支出が増えることです。2.支出を減らす、の反対の行動です。

こんな時の対策は、価格を引き上げること、つまり、値上げをすることで、売上をあげるのが、正解なのです。

 

商売の力の一つは、お金です。

このお金を生み出すのは、世の中を知ること(情報を得ること)×高い利益率(付加価値)を生み出す智恵、です。

 

大量を求めて、世界の売り場に進出することも選択肢の一つです。

もう一つの選択肢は、世界に冠たる少子高齢化社会に対応できる売り方で、ニッチな世界一になることです。

どちらがあなたの会社にふさわしいですか?

 

ニッチな世界一の売り方は、適量しか買わないお客様に、適正利益率を頂くこと。

逆から見れば、適量を定期的に購入するお客様をしっかりフォローする売り方です。

そうです、これは超お得意様を作る売り方です。

 

超お得意様は、実はあなたの会社に一番多くの利益を下さるお客様です。

バックをたくさん持っているお客様が、もっとバックを買うお客様です。

本をたくさん持っているお客様が、もっと本を買うお客様です。

 

少子高齢化の時代です。

新規客に値引きして販売数を増やすより、既存のお客様にお得意様になって頂く、さらに超お得意様になって頂く方が、会社の利益は大きくなります。

お客様にとっては、あなたの会社がお客様(私)にふさわしい世界一の会社になることが、この時代の売り方です。