「今週の一言(いちげん)」第219話事業計画は「絵に描いた餅」か?
昨日は、業務完了報告の日でした。
「長い間ありがとうございました。」
お客様は、80歳になられました。
思えば、40年前 駆け出しのころからのお付き合いです。
昭和60年、大手I社の出店計画をしている店舗開発部から電話が入りました。
「16号線沿線に大型店舗を造り、その中間に小型店舗を造るんだ。
地主さんに事業計画を教えてやってよ。」
関東一円、すごい計画!!
おおきな地図の上にピンで店舗予定地域が示されています。
わー、ここに店舗ができるんですね!
「交渉がうまく乗ればね。。。。」
事業計画は、「絵に描いた餅」
大型店舗を造り、その前には広い駐車場。
となると、広い土地が必要です。
自ずと、地主さん=農家との交渉…。
交渉は足で稼げと言われ、電車の駅から、とぼとぼ。。。
開発前の駅周辺は、広い赤土の大地、歩くと靴下茶色、靴は真っ白に。
道は、左に折れ右に折れして農地のあいだに続いています。
汗をかきかき進むと、
緑の屋敷林に囲まれた、これまた大きな屋敷。
山と積まれたトマトの青臭い匂い。。。
“そんな絵に描いた餅みたいな話”
事業計画をいくら作っても、、、
もう何日も、何件も回りましたが、話を聞いてさえもらえない。
「絵に描かれている」ことが大事
大きなケヤキに囲まれたお屋敷に、伺ったとき
「私、その事業計画作ってほしいわ。」
初めて、事業計画に目を輝かせる人に出会いました。
「見てください。私のつけている帳面です。」
B5サイズのノートには、見開きで貸している土地の地図
次のページにはそれぞれの物件ごとの「収入」
「主人の土地を維持するのに、事業を始めたら、税金が増えて、、、」
税理士さんに相談したら、
『だったらご主人が仕事を辞めればいい、そしたら、税金が安くなる。』
「ばかげていない?だから言い返したの。
「子供たち3人、これから学校に進むときに、
家に主人がいて、働かない姿を子供たちに見せたいと思いますかってね」
彼女は、一族が生き生きと生活する姿を思い描いていました。
家族にこれから必要になる資金は?
事業資金は返済出来る?
指針になるものが欲しかった。
計画は、紙面上のものだけれど、おおよその見当がつく。
漠然とした不安から私を救ってくれる。。。
「そうね、目標が欲しかったし、
自分の不安を話せる相手も欲しかった。」
(私は、奥様の夢を聞き続けてように思いますが)笑
絵に描いた餅は本物より高価です。
計画、予算、実行、どう決めていますか?
できる範疇を決めてから、それを予算とか計画とか、数字に直してませんか?
どうせ事業計画は、絵に描いた餅のようなものだからと、、、
絵にかいた餅は、本物の餅より高い。
文化も、想いも、価値までも、画かれています。
そして高額で取引されます。
思いっきり大きな絵を画かないと、事業はしぼんでしまいます。
計画があっても、しぼんでいく事業は、支払い予算だけ実行されていく。。。
夢を達成したい、その思いが強いものであればあるほど、計画は実現します。
社長さんあなたの事業計画、会計事務所に丸投げしていないでしょうね。
昨対比5%アップの事業計画で達成できるのは、支払い計画のみ。
しかも、消費税増税分だけ、余計に支払いがふえたりして、
事業計画の最初は、思いっきり大きな夢を描くことからです。
ーノグチ
PS.
7年間の計画をお勧めしています。
さほど遠くない将来、でも十分に達成できる期間、それが7年です。
世阿弥が言ったか言わないか、「仕舞7年謡10年」のことわざどおり、私も平成25年から仕舞を習い、今年31年は国立能楽堂で、船弁慶を舞いました。
達成したい目標を7年に定めましょう。具体的にすればするほど、達成率◎です。