「今週の一言(いちげん)」第328話三等分が、なんでいけないの?
Fromノグチ 先々週のこと、あるオーナー経営者さんから「法定相続って良くないの?」と質問が飛んできました。
「ノグチ先生から聞きましたよね。三等分の話。
あの話聞いてからね、ずっと頭の中が『三等分、三等分、三等分って…』廻っちゃって
考えたんですよ~、あれから、ず~っと…。」
「例えば、オレの事業を100とする、イヤ、分けやすく120にする。
この120の価値があるものを兄弟三人で相続する。
子供たちが、姉と兄と弟で、1/3ずつで所有する。
「そうすると、それぞれ40ずつ持っているんだけれど、それぞれの考えでそれぞれ活用しても120の価値にならないってことですかね?」
「いや、ならないよね。120あるから、周りから地域の人から、評価されているんだものね。」
社長さん、
腕組みして、自分の言った言葉に自分で深く肯きました。
分割が、価値を下げる。
「事業規模が3分の1になりました。」と、言ったら
きっと地域の人たちは相続の内輪もめで、
事業を小さくせざるを得なかったのだ、とウワサします。
「事業規模が3分の1になりました。」と、言ったら
販売先のお客様から、安定供給ができる体制が取れていくのか?
取引を続けていいのか、不安の声が上がります。
作り上げた商売の信用や評価は、一体として価値120
財産も生産能力も資金も借金も、全部まとめて価値120
これが相続になって、子の誰かが引き継いだとしても、価値は、、、きっと100以下になっちゃう。
それをさらに、3等分したら、、、
それは、事業承継じゃなくて、ただの分割。
売却代金で整理しました、という廃業への道です。
事業という塊
オーナーが、自分の仕事につぎ込んできた労力は莫大なものです。
ある意味、子供とおんなじ。
手塩にかけて、大きく育ててきた事業です。社長さんの夢です。
事業として引きついでほしい。
自分で後継者に話をしてみる、とおっしゃいました。
「納得してもらうために、子供達にも現状を見せないとね。」
「一般論は、友達でも銀行でも話せるじゃない。
でも、本当に相談するって本当のところを見せられる相手じゃなきゃダメだものね。」
―ノグチ
P.S.
オーナー社長さん、
銀行さんから、相続税対策は社長どうしてますか?と問われる年齢におなりでは?
一代で事業を大きく成長させたオーナー経営者の方に多いのが、事業に多額の個人財産をつぎ込んでらっしゃること。人生の喜びや夢、法定分割で分けられないものもある、のです。
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