「今週の一言(いちげん)」第255話フランスの洞窟に書かれている謎の言葉
大手コンサル会社のコンサル養成講座会議で聞いた凄い話です。
F総研コンサル養成講座会議の話は、以前にもしたことがありますが、100人以上の経営者経営幹部が、実業の問題を赤裸々に話して、たくさんの意見をもらって、解決策をつかんでいく姿にいつも感心しました。
とは言っても、中には解決できない問題も多々出てきます。
「人が育てられない」と上司から指摘されている経営幹部がいました。
採用しても採用しても、人が退社していく。
教え方が悪い。
給与体系が、年功序列になっている。
そもそも、給与は世間から見たら低いのではないか。
他社のことなのに、たくさんの見方とたくさんの問題指摘を出してもらえるのがこの会議のいいところです。
ですが、発言の当事者は、問題解決につながる糸口をつかめない。
指摘された問題点に、発言者は、「そりゃそうでしょ。わかっているよ。」とでも言いたげな顔を見せていました。
壁画に書かれている事実?
と、F総研の中堅コンサルが、ちょっといいですか、と手を上げました。
“フランスのラスコー洞窟というというところに、2万年前のクロマニヨン人が書いた壁画が残っているんです。壁画というとアルタミラの洞窟が有名ですが、行ってこられた方はいらっしゃいますか? ”
… (彼は自分の手を上げて、会場を見渡しました。)
“あ~、いらっしゃいませんね。
あまり社長さんたちが、訪れるような見学施設ではないですものね。でね、この壁画は、2万年前のクロマニヨン人が書いたといわれているんですけれど、牛や馬などの動物が描かれていて、しかもそれは「狩り」をするところだというのです。狩猟で生きている。つまり狩猟がうまくできるかどうかが死活問題なんですね。で、狩りのやり方は、集団で動物を追い仕留める姿です。それが生き生きと描かれている。
その壁画に、どんな文字かよくわからないけれど、こう書かれていたというのです。
『今時の若い者は…』
… 一瞬、シ~ン …
… 大爆笑!!…
会場は大笑いの渦になりました。
事実よりも、人の真実
自分の問題点を、指摘されて喜ぶ経営者や経営幹部はいない。
退職者が多いのは、「御社の給料が安いから」なんていわれて納得できる幹部はいない。それじゃ、経営者能無しと言われているのに等しい。
そうじゃない。
給与を上げよ!の激しい労使交渉をしたいのではなくて、ともに大笑いできる場を作っていなかったなぁ~、と。
何を隠そう、この問題発言者は、ノグチでした。
―ノグチ
P.S
関係者がみんなwin・winになる。頭でわかっていても実行するのは時に難しいと感じませんか?この経験のあと、弊社では給与基準表を互いの前において、本人と上司と経営幹部で、3か月ごとに話をする機会を持つ取り決めをしました。
3か月ごとに、それこそ15分話すだけで、社員の顔が上がっていくのがわかりました。社員の顔が上を向くと、それこそ会社は上に伸びていきます。