「今週の一言(いちげん)」第362話バカバカしいけど重要なルール
Fromノグチ 会社員の皆様、経営者になればきっと自由に自分のルールで仕事ができるとお思いでしょう。でもそれは間違い。経営者だって縛られている領収書のルールがあるのです。
前職は会計事務所職員のノグチ。
いわゆる、フツーの昭和の会社員生活をほぼ30年間過ごしました。
学校を卒業後、従業員3名の小さな事務所の新入社員になったのです。
小さな事務所は、なかなかに楽しいものです。
フレンドリーな同僚に、仕事の手順を教えてもらって、会社帰りには居酒屋へ。
港区にあった事務所の周りは、それこそ六本木、麻布と遊び場に事欠かない楽しい新人時代でした。
しかし、これが2年目にもなると、面倒なことが起きてきました。
毎月末に提出する業務報告書と経費精算書です。
それぞれの業務時間と立替払いの交通費だ、事務用品だの経費を精算書を作って上司に報告するのです。
一円も間違えられない経費精算書
出張無し、の新人時代ははるかに遠く、スイカもパスモもない時代のこと。
地下鉄で主要JR駅に出て、そこから千葉だ、山形だ、とお客様のところに出かける。
場所によっては距離で料金が変わるバスに乗ったりと、メモは必須です。
外から事務所に電話するのだって、携帯電話なんかありません。
カチャン、カチャンと10円玉が落ちるのを、何枚なんて数えてられない。
同僚に「あーっ、10円玉貸してっ!」冷や汗の枚数は数えきれない。
もっと困るのは、飲食の費用です。
羽田空港で、一緒に行った同僚3名分のコーヒー代。
「レシートもらっていません、これってノグチさんのおごりでしょ。」なんてかわいい後輩だろう。
経費精算は、担当者泣かせ
交通費を調べ調べ乗り換えごとの料金を計算していく。
それに領収書を加えて、これで本当にいいのかしらん?
会計事務所の職員たるもの、計算に間違いがあっては恥ずかしいで(笑)
ところが、間違えるんです。これが。
一か月前のことを忘れている。
「その区間、早いからと3人でタクシー使いましたよね。」そうだった、、、、。
タクシーの領収書を、無くしてしまったのです。
お金は戻らないは、時間は費やすは、何なんでしょうかねこの経費精算書ってやつ。
電子帳簿保存法の時代
電子帳簿保存法が改正されました。(令和4年1月1日施行)
スキャナを利用する領収書の保存方法です。
領収書を写メすればいいだけです。
それでも、このデジタル化に乗っていけない従業員も経営者も多くいるはずです。
理由は簡単、領収書が出なかったり、なくしたり、忘れたり、するからです。
もしかすると、領収書を忘れさせたいのは、経費を削減させたい社長の心の声かもしれません。
―ノグチ
P.S.
この経費精算には、後日談があります。
勤務先の会計事務所では経費精算のチェックを新人社員の仕事としていました。言わば、新人研修の一環だったのです。ある時、代表者が領収書を新人の経費精算者にポンと渡して、清算を求めました。
新人君は、手元資金が足りないと資金支払担当者へ預金からの引き出しを要求しました。
資金支払担当者は、代表者子息の学費領収書は個人の費用とジャッジして、差戻し。
代表者はこう述べました。「よくできたダブルチェック体制だ。」
お問い合わせは→ https://www.n-keiei.co.jp/inquiry