代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第226話ゴメン、あの時はまだ他人事にしていた。

Fromノグチ

 

一週間ほど前、都内のある会社事務室で、

 

「たった5年前ですか、この借入に切り返したのは、、、」

(たった5年、でも 金利が、大きく下がっていますからね)

「こんなに急に金利が下がっている状況ですからね、、、」

 

「コピーをとってきます。

この資料ですよね、私がとりますよ。

この2つの資金の詳細でしょう、分かってますよ。」

 

社長は、話しの途中、席を立ってコピーをとりにいくという。

 

(話しの途中だし、、、 後でも、いいのに、、、)

 

と、ボソッと社長の一言が聞こえた。

 

「そうだった、あの時は、まだ他人事だった。。。」

 

コピー機の前に仁王立ちになったまま、

社長がつぶやいている。

 

「記憶にない」は、他人事

たぶん、社長は、5年前のこと思い出し始めている。

銀行と、先代と、自分。

同じ場にいたのに、同じ書類を見ていたのに、同じ説明聞いたのに、

詳細が全く思い出せない。

 

社長が、席を立たずにはいられない、そんな思いが動き出したようです。

 

社長が、あれっ?と顔を上げたのは、

(団信の保険かけていませんでしたね。この借入のために保険かけませんか。)

とノグチが提案したときだ。

 

「えっ、これ、土地が担保だよね、返済のために土地売って建物の借金返すの?」

 

5年前、ある都市銀行との借り入れを、どう実行するか話し合っていた。

先代社長と平取締役だった現社長、ノグチも同席していた。

借入総額、金利や、担保、返済方法、決めごとは沢山あった。

 

「この金額をどう返すんだ、○億だぞ!」

「借りたのは親父だろ、返すっきゃないだろう!」

「返してきたじゃないか、これからだって返す。当たり前だ、タダ重いんだ。」

 

「会社の借入で担保にいれたあの土地は、オレの土地だ。」

「ボクだって一生懸命に働いていますよ、協力して返済します。」

「そうだな。ありがとう。」

 

銀行担当者や息子さんが席を立つと、

先代社長は、経理を担当していた夫人に向かって、小声で言いました。

「なんとか、俺たちの代で借金のめどをつけとこう。」

 

先代夫妻からすれば、息子は、まだ住宅ローンを払っている身。

余計な負担はさせまい、と考えたはず。

先代夫妻は、夫婦して借金を返すのはあたりまえと考える世代です。

 

「具体的に知っている」は、自分事

話しは聞いている。

情報も知っている。

だけど、なぜかそれが自分ごとの問題にならないことって、あります。

 

それは、借入が、普段自分の身近にある”数字”ではないからです。

社長の身近にある気になる”数字”=売上・利益・預金算高…ではないからです。

 

自分事にするには、自分の得意な数字、気になって仕方がない数字、

たとえば売上と不得意な数字=借入とに橋を架けておけばいいのです。

 

借入は、利益から返します。

経理担当に、返済額込みでいくらの利益が必要か、その時の売上はいくらか

計算してもらってその数字を知っていればいいだけ。

 

「だからかぁ、いつも親父は母さんのところへ行っては、

あの借入はどうなってる、資金はどうかって、聞いていたんだ。」(笑)

 

資金の手当ては、事業継続の大前提です。

売上・利益・資金繰り、社長はどの数字が一番気になり(得意)ますか?

社長の得意が売上で、資金に橋が架かると、それは『鬼に金棒』『左団扇』の経営です。

 

―ノグチ

 

P.S.

事業を引き継がせたいけれど、この財務内容では、、、と躊躇してはいませんか?

 

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