「今週の一言(いちげん)」第340話なぜ釣った魚に餌を与えないの?
Fromノグチ 2週間ほど前のこと、建物管理の事業者とオーナー経営者の打ち合わせに立ち合いました。退去者が出たので、内装工事をどうするかがテーマでした。
「昨日確認したら、11月の初めに入った方が、退去されて空室5室になりました。」
(2週間で退室って、なにが、理由なんですかね、退去者の理由は、聞いていますか?)
「すでに退去してっしまって、直接お聞きできていません。管理部門に改めて聞いてみます。
今回伺ったのは、その部屋も含めて新たな設備投資工事の見積もりの件です。」
賃貸物件は、築年数がたつとどうしても入居応募者が減ってきます。
そこで、新たに貸し出す物件についてクーラーやガスレンジ・網戸・インターホンなどの新しい設備を付けて利便性を上げる計画です。
経営目標
「新たな空室から設備投資をしていきますので、まずは、5室だけですね設備投資は。
逐次行いますので手間賃は一軒ごと、確かに割高な見積もりになります。」
(それって、つまり釣った魚にえさはやらないって事?)
釣った魚に餌はやらない主義の賃貸経営があります。
新規獲得で手数料を取っていく方式です。
賃料の一か月分が礼金で入ってきます。
新築・好立地・高い賃料設定
例えば、恵比寿だの、下北沢だの名の知れた都心の立地の賃貸物件
条件が合えば、釣った魚に餌を与えない高収益賃貸経営が成り立つのかもしれません。
残念ながら、オーナー曰く
「立地はね~動かせないよね~恵比寿に。それに加えて築30年。いかに建物がイイと言っても、そりゃあ ず~っと住んでいただいていたら、内装は古くなっているよね。」
安定経営を目指すオーナーの希望は、永く居住してもらうこと。
出入りの多い物件は、入るときにドーンとお金があっても、入らない時はツライ。
収入を安定させたいのです。
ターゲット
建物を所有しているオーナーの視線は、
「自分が所有者だと思って、もっと丁寧に住んでくれ。綺麗に住んでくれ。」
部屋を借りている賃貸人の視線は、
「今時の設備にしてよ。『アレクサ!』って呼んだら、ビデオ撮っておいてくれるような部屋。」
賃貸経営って、利便性を追い求める人が、お客様なのです。
方法と選択
ですので、永く居住してもらう目標にあった、管理方式は、
一度釣った魚は、逃がさないようにキチンを餌を食べてもらい続ける管理方式です。
(例えば、5年以上借りていただいているお客様に、プレゼントはいかがですか?
ガスコンロか網戸・インターホンどちらがいいですか?お好きなものを長期契約御礼プレゼントにすればいいんじゃありませんか。)
「修繕費の前倒しか…、でも件数まとめたら修繕費安くしてくれるよね。」(笑)
オーナーは笑いながら、管理業者に見積もりの値下げを申し出ました。
管理事業者も、設備投資をしてくれるオーナーは有難いと微笑んで交渉に応じます。
大事なのは、あなたの目的です。
あなたの目的は、高収益高リスクの経営ですか?
それとも収入も費用も予算を組んで進む、安定経営ですか?
安定経営とは、収入の安定と修繕費など費用が明確に予算化されていることで生まれます。
―ノグチ
P.S.
オーナー経営者にとって大事なのは、ご自身の顧客市場を見極めること。
自分のお客様が、どんな人なのかわかる方法があります。
お客様からの信頼もオーナー経営者の信用も高める経理のやり方があります。
お問い合わせは→ https://www.n-keiei.co.jp/inquiry