代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第00話「金庫番」のススメ

Fromノグチ 

「なんて金に渋い人だ!」そんな人に会ったことはありませんか?

ノグチ幼少のみぎり出会った渋いしぶ~いおばあさんの話です。

 

(こんにちはー、○○商店です。集金に来ました。)

 

昭和40年代の話です。

私は北海道の小さな町で米や酒雑貨を扱う商店の娘として生まれました。

 

この町の主要産業は、漁業。

父母の営む商店の商売相手は、当然この漁業関係者。

特に、中型サケマス漁船の船主が主力取引先です。

 

中型船になると、船頭・機関士・無線士。漁労長はじめ乗組員も多くなります。

漁に出るときは、一週間から一か月分の食料を積み込みます。

 

さて、毎月25日になるとその積み込んだ品代の請求書を船主へ届けます。

月末、請求金額の一覧と領収書をもって、その船主の家に集金に行く。

それが小学生のノグチの仕事でした。

金払いの悪い客?

(こんにちはー、○○商店です。集金に来ました。)

 

多くの船主の家では、たいてい奥さんが出てきて

「ご苦労さん、今月はこれで」

と、玄関先でお金を渡してくれます。

 

ところが一件、何度大声で叫んでも、何度玄関ドアを開け閉めしても

玄関には誰も出てきてくれない家がありました。

だんだん、心細くなります、手も足もかじかんできます。

 

北海道の冬は寒い。

玄関には暖房なんてない。

人の気配はあるのに、まったく声が聞こえない。

 

「(玄関で待っていても)ダメだよ、この家は。上がらなかったら」

ガラガラっと玄関が開いて入ってきたおじさんは、やはり集金人でした。

「黙っていたら、何ももらえないよこの家ではね」

 

ずかずかと家に入って行くおじさんの後から、私も茶の間に上がります。

そこにはストーブの前で居眠りしているようなおばあさんが一人です。

金庫番の正体

でも彼女は居眠りなんかしていない。

サッと座布団の淵を抑えた。

座布団の下にはお札。

 

集金人の男性が、「集金に来たよ」というと

座布団の下に手を入れお札をつかむと

「ん、30万」と男性に渡しました。

 

「ウチも集金なんですけど…」

チラッと細い眼をこちらに向けるも、そのまま尻ストーブで居眠りの体制

「少しは払ってやれよ、子供なんだから…」

 

「いくらだ?」

(請求書配ったんですけど)

「ダメだよ、10万にしときな。バーさん、この子に10万はらってやってくれよ。」

 

彼女は、金庫番です。

今月末、支払ができる総額は、彼女の座布団の下の札束がすべて

各取引先からの請求書の全てを清算はしない、そう彼女は決めている。

 

単なる「ケチ」でも「節約」でもありません。

粗利以上にお金は使えないのです。

キャッシュフローは、経営の実態そのものです。

 

 

ノグチ

P.S.

キャッシュフローには、6つの型があります。

自分のお金の使い方、知っていますか?

結構自分のパターンは見えてないかも。。

 

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