「今週の一言(いちげん)」第116話「特別扱い」が、安定売上につながる理由
「Aランクのお客様を、新規のDランクと同じ扱いにしては、いけない。そりゃそうですね。叱られるワケです。まずは、ノグチ先生の言うとおり、自社の顧客生涯価値をハッキリさせることなんですね。
我が社の一番顧客だ!と分かれば、誰だって笑顔になるもの。ゲンキンなモノね、さっきまでなれなれしいと思っていた常連客に、『ダイヤモンドメンバー』と名をつけただけで、とびきりの笑顔で迎えるお客様に思えちゃうんだから、ウ~ン名は体を表す、ですね。」
「難しいお客様なんですよ。確かに常連さんで、定期的に来て下さるんですが、、」
常連顧客の中に、苦情の多い顧客がいると、店長さんの悩みの声がでました。
店長が一人の顧客に、つきっきりで時間が取られてしまっていると言うのです。
アルバイト、パート社員が多く、新人が接客に入ると、
「あなた、新人でしょう、私のこと知ってる?知らないなら店長さんをお願い。」
間違って発言して、怒らせては、と思うと、新人達は近づこうともしない。
「このお客様には笑顔で接してと言っても、新人スタッフには、なかなか出来ていないんですよ、困ったな~」
聞けば、開店当初からのお客様です。
しかも、近隣の同業他店舗でのサービスが、気に入らず、当店にいらしたとのこと。
より高度な施術を求めるお客様のようです。
70店舗まで増やした、サロン経営者から伺った対処方をお話ししました。
腕に自信あり、のサロン経営者は、ライバルが多くいる地域で独立するものです。
お客様が、他店舗で気に入らなかったポイントから聞きだします。
当然、苦情に応じた「特別プログラム」の説明と施術が提供できます。
「苦情がハッキリしているので、どうすればいいのか、差別化が出来ますよ。
当然、施術の内容もよくご存じなので、より高度な知識をお知らせすれば、信用を得られます。ありがたいお客様ですよ。」
と、かのサロン経営者は教えてくれました。
「確かに、施術の内容や技術のことは良く知ってらっしゃるのですが、それよりも自分の事を知って欲しいと言うか、、。」
店長さんの思っている苦心は、別なところ、そして、ビジネスの根本に関わる処でした。
商売は、お客様が主役です。
主役が、当社のサービスで、思い通りの姿形になるから、お金がいただける。
お客様の思う姿形を知らずして、料金をいただけるワケはありません。
まして、施術するスタッフが、主役の顔さえ知らず、笑顔の接客ができていないのでれば、顧客が怒るのはあたりまえです。
「そのお客様の要求は、無理難題ですか?」
「いえ、細かいことなんです。ま~、特別扱い?してほしい、と言うことかな。」
特別扱いをしてはいけないと店長さんが思い込んでいると分かりました。
「それはすばらしいことですよ。あなたのお店の価値観が気に入ってますよ。」
お客様が長居したい、喜んで定期的に通ってくる、それは御社のサービスの「価値観」が気に入っているからです。
問題は、お客様が気に入っている「価値観」を、店舗スタッフが共有していない事。
まずは、「価値観を共有する顧客」の価値をスタッフに知らせする。
ビジネスの仕組みを理解させるのが、店長の仕事です。
顧客の生涯価値をスタッフも知ること。
次回購入につながる継続的な関係構築が企業にとってどれほど大事かを伝える。
長期間顧客でいるお客様の価値を伝える。
超お得意様は、どのくらいのスパンで来店されますか?
超お得意様の購入されるサービスは、どのような価格ですか?
超お得意様は、何を気に入っているとおっしゃいますか?
超お得意様が、他店に移らない・浮気をしない理由は何ですか?
超お得意様だけが受けられる特別なサービスはありますか?
普段店長がスタッフに伝える事は、新規顧客を増やして、売上アップを狙いたい。
売上目標は今月○○万円だから、常連は当然計算済みで、新規が欲しいのよ。
スタッフとは目標・ビジョンは共有しているのに、「価値観」の共有は無しです。
毎回来ていただいている事への感謝が無くて、売上のための1つの駒にしていた。
店舗に来ていただき、その中で一番の笑顔担っていただく事に最善を尽くす。
そうすることが楽しくて、嬉しいと思うスタッフを造ろう。
施術の提供時間が、価値ではないのです。
価値は、施術によって、お客様が得るもの、お客様の感動や周りからの高い評価、そして周りから評価される事で出てくる自信。
顧客に、その自信を気づかせるスタッフの努力が、またお客様を呼び込むのです。
ありがたい事に、超お得意様は、特別なサービスも受けずに、通っています。
未だに、他店に移らない・浮気をしないのです。
それでは お客様の価値に、感謝を込めた称号を贈っていますか?
どんな基準で、その称号は贈られるのでしょうか?
年間の取引高でしょうか?
購入の期間の長さでしょうか?
それともご紹介の多さでしょうか?
お客様に取っては、「あなたの店舗」のなかで「特別地位」を得るのです。
スタッフ全員が顔も名前も覚えて、笑顔でご挨拶に訪れます。
電話の受け答えも、顧客へのお礼状もスタッフとの写真撮影も、ダイヤモンドメンバーの○○様、それが、「特別地位」です。
人口が3割減る時代に突入しました。
業界の1位から3位までしか生き残れないのです。
既存客をどう食い止めるか、が企業の存続のカギになっています。
お客様とのつながりが、商売の基礎となる時代です。
お客様を特別扱いする仕組みを創る。
そして、あなたの顧客に、あなたの想いが伝わるロイヤルカスタマー称号を、是非贈って下さい。