「今週の一言(いちげん)」第144話「心配しなくてもいいよ」という人を信じてはいけない。
もうかれこれ30年前東京タワーが見える芝公園近く、での話です
「ねえ、野口さん、部長がごちそうしてくれるというのよ、ね一緒にいくでしょう。」
同僚の女性が声をかけてくれました。えーー、いいですねー、みんなも行くでしょう。そういって周りを見回すと、他の同僚達は忙しく机の上を片付けだした。机の上はきれい。何もない。ファイルは棚に、電卓は鞄の中に既に片付いている。学校がありますからー。そうだ、みんな資格試験を目指している。イイじゃないですか、野口さんは。もう科目試験何個ももっているんでしょ。何個ももってないよ、2個だけ。僕らはまだ0個だから、ダメですよ。
で、結局「さあ、行こう」とタクシーに乗り込んだのは、部長と彼女と私の3人。
楽しくカラオケスナックで飲んだ後、地下鉄の入り口までまたタクシーで移動です。
なぜか後部座席に3人並んで座っている。
ぎゅうぎゅうに片寄せて話している。
「私はみんなのように成績が良くないから、どうせ資格も取れない。そのうち、みんなから置いてきぼりになるんだ」と彼女。
そうか、彼女も学校に通い出しているんだ。仕事をしながら資格をとり、独立する。サクセスストーリーです。
「だって、部長さんから誘われたら、断るなんて、みんながおかしいのよ。」
…ん、部長はみんなを誘ってはいない。彼女だけ誘ったのかも…。
「心配しなくていいよ、君は当社のお嬢だから、きっと資格も取れるし、みんなもかわいがってくれるよねーー、野口」
目の前の的、将来の目標
上司の言うとおりの手順で仕事をするのが、当たり前。
新人の時はそうするのがいいですよね。まず成功している手順を覚える。
失敗しない方法です。
しかし、試験は、上司の判定ではない。国家資格試験は勉強しなければ、当然合格しません。任された仕事は、毎回ビミョウに違っている。それぞれのお客様とコミュニケーションがとれなければ、つまずく。【実際にそうなりました。】
「心配しなくてイイよ」を聞いた私は、「あわよくば」で動いていました。
楽して、給与をもらいたい。きっとそのうち仕事を評価されて、…??
そして、「心配しなくてイイよ」を言った人も先を考えての発言ではないことが、次第に解ってきました。
自分に都合のいいことばかりは無いですよね、世の中にそんなこと。
楽観主義は戦略
“楽天家と楽観主義は違う、僕は戦略として楽観主義を貫いている。“
ラミレスDeNA監督の言葉です。
ラミレス監督はデータを収集して戦略的にチームを運営すると言います。
データがあって、そのデータが意味する事を考え抜くから、策が当たる。
成績がよくても悪くても腐ることなく続ける、だから楽観主義だ。
PS.
「問題をつかめるのが社長だ。」と故名南経営の高橋先生がおっしゃってました。問題がハッキリ解るのが数字だものね。儲かる社長は数字につよい。