「今週の一言(いちげん)」第2話会計士に頼んで儲かる経営ができるなら、社長はいらない。
「会計士にたのんでいたのにな~」
経理部門と会計事務所とは、同じ会計ソフトをオンラインでつなぎいつも指導を受けられる体勢を取っていたし、毎月担当者が説明にも来ていた。だけど、、、
積極的な新店舗拡大で売上を伸ばしてきた社長さん、店舗ごとの売上も人件費も表を作成して個別の資料で確認をとっていました。
利益は出ているはずなのに経理部門から資金不足の報告。忙しさもあり「ちゃんと会計士の先生に報告しているのか!」と声を荒げてしまったそうです。
経理部門の担当者はもまた、「忙しくってあれもこれもできません!もっと人を増やして下さい!」
積極的な店舗展開で売上は伸びました。しかしそれ以上に伸びるものがあります。借入金です。出店するには店舗を借り、内装を整え、スタッフを雇って教育し、開店を迎えます。そのときまでに初期投資の費用はまとめて必要です。
チラシを配布して新規顧客を一人づつ増やしていく地道な営業をしていく間にも運転資金が必要です。それらを時前で全部用意できれば問題は小さいのですが、全て借入となるとやめる判断ができないまま、借入が雪だるま式にふくらんでいた、というケースは実はよくあることです。
会計士に頼んでしたのは「税金の申告」のハズ。それがいつしか「数字を全部お任せ」に思い込んでしまったのです。
決算書・試算表となるとよく見もせずに「いゃ~先生にはいつもお世話になっております。先生!信用しています。宜しくお願いします。」とだけで会話を打ち切る社長さんがいらっしゃいます。「借入できるようにして下さいよ~。」と試算表を作ってもらい、銀行の窓口で説明に四苦八苦する社長さんが、いらっしゃいます。
自分の会社の大切な情報を説明できないと、相手が信用しないのは当たり前です。きっと営業だってできないかも、、、と思えば、これ以上の貸し出しを銀行が控えるのは当然です。
冒頭の「会計士に~…。」と話した社長さんは、出店計画・撤退計画のルールを見直しすることにしました。会計士には出店計画で必要な税務上の問題点を教えてもらいたいと依頼しました。
自分の商売は、誰も考えてくれません。自分で考えるしかないのです。
そのとき専門家に相談するのは、自分が見落としているリスクについてです。