「今週の一言(いちげん)」第68話会社の目標は、ただ一つです。
「不動産に傷がつかないうちに、廃業した方がイイ。
会社は社長なんだ。社長にアイデアや力量がなければ、結局つぶす。
不動産にも傷がつく。
不動産は、それ自体それなりの価値があるけど、会社は経営者によっては価値が無くなるからね。」
優れた経営者からお話しを伺うと、みな一様に気にかけている一点があります。
それは、会社を絶対「つぶさない」
数十億、数百億の売上を計上し上場していても、自ら繁盛しているとは言わずに、会社を「つぶす行為」を一つ一つ上げて、この行為はしないとおっしゃいます。
さて、冒頭の社長さんから、会社を「つぶす行為」を3つ、教えていただきました。
たぶん気にかかることから教えて下さったはず、今社長さんのいちばん気にかかること。
それは、経営感覚のあるなしジャッジをしないままに、親族を後継者に据えること。
つまりは、社長の息子だからと次期社長に据えると会社をつぶす、と言うのです。
世の中をみまわせば、経営者になっているのは、学生時代の一クラスに一人か二人。
経営者の資質が遺伝で伝承出来るのであれば、もっと増えていくはず。
経営者の資質は、自分で獲得していくもので、一生懸命だけではできあがらない。
ご自身のご子息やご息女にも、経営者として資質があるかどうか分からない。
本人がやりたい事をするのが、一番。
経営をしたいのであれば、自分の取り扱いしたい商品サービスで自分がすればいい。
なんともスッキリし過ぎているように聞こえますが、この社長さん、実にたくさんのつぶれてしまう会社を見てきたからこその言葉なのです。
さて、会社を「つぶす行為」2つめは、
なりゆき経営をすること=事業計画を立てないこと、だと断言されました。
なぜ計画が無いとつぶれるのでしょうか?
計画無しだと会社は必然的に赤字になります。
人は、目標を呈示されるから、何とか頑張って売上を上げようとするのです。
何も言われなければ、その人なり自分なりで数字を上げません。
人口は微減しています。
たぶんそうだろうな、と実感がわくのは、間違いなく子供より高齢者が多いこと。
人が少なくなれば、同じ仕事をする会社の数は今より少なくていいわけです。
さらに、AIは、人の仕事ボリュームを減らすでしょう。
ますます、会社の数は少なくていいのです。
他社よりもいい業績を残す会社だけが残っていくのが、道理です。
会社を「つぶす行為」3つめは、
目標に添わないお金の使い方をする事、と教えてくださいました。
会社の目標は、それぞれの事業体ごとの目標ですか?と尋ねると、
「会社の目標は、たった一つだ。」
会社の目標はたった一つ、それは、どんな会社であっても同じ、違うはずがない。
安倍総理のいう「生産性を上げる」それはどういう意味か?
利益を出し、従業員の給与も上がっている、それが生産性を上げること。
平たく言えば、会社の目標は、お金を稼ぐことです。
お金を稼ぐためにお金を使っているか?
お金を使うたびにこの支出は真にお金を稼ぐためにしている支出か?
それを自身に問うことを忘れてしまう経営者がいる。
HIS澤田社長はお金をどう使ったか。
ハウステンボスを20億円で購入し、再建にあたった。
年8億の固定資産税を10年間据え置きという条件をつけた。
世の中には、ハウステンボスが黒字化したと聞いて、固定資産税も払わないずいぶんな経営者だと言う人がいるが、それは間違いだ。
確かに購入した不動産の価格としては、安い金額かもしれないが、収入を得られなければ、ただの不毛の土地でしかなく、しかも地域の雇用もない。
だだっ広い土地にいる従業員のために、掃除をしなくていい場所を決めて壁でおおってしまい、皆が顔を合わせやすいように100台の自転車を購入する工夫だ。
どうすれば、経営としてやっていけるか?
その一点だけに経営者は集中すればいいのだ。
社会貢献を言うのはいいが、それは、真につぶれない会社になってからのことだ。
会社の目標は「お金を稼ぐこと」です。
ですが、会社は、社長の想いを組み込んでいます。
社長が、顧客に役立つ提案し従業員の生産性を上げている会社は、自ずと社会貢献をしている会社なのだとわかります。
最後に、「それにしても税金ばかり取(盗)られるよね~」つくづく本心だと思います。