「今週の一言(いちげん)」第15話奥さんの評価は、侮(あなど)れない!社長さん、誰の評価を基準に商売していますか?
「この人、ほんとにいい仕事するんです。HP見た人が本当に商品の良さが、
分かるように丁寧に文字も写真も入れるから、会社のよさが伝わるんです。」
と、奥様から紹介されたS社長は、HP制作デザイナーです。
雇った営業マンが、次々退社してしまい、どうやって営業していけばいいのかと、
ノグチのところにやってきました。
S社長の制作分野はデザイン。
画面の一番華やかな部分です。
大手広告代理店でホームページの仕事を始めたところ、当人もびっくりするほど
結構な収入が入りました。
「収入が多い人は、会社を作った方が絶対有利!」というセミナーを受けて、
これはその通りにしなければと、早速会社を設立しました。
事務所を借り、営業担当の従業員も制作補助者も雇って、創業です。
S社長はひたすら制作に没頭しました。
HP制作会社だから HPを造って造って造りまくれば、会社は大きくなる。
本業のHPが、できれば会社はうまくいくはずです。
営業担当の社員は優秀です。
S社長のこれまでの人脈・既知の会社を紹介すると、早速に飛び回り、
仕事をとってきます。
にこやかに応対する営業担当社員に、お客様は頻繁に連絡してきます。
制作社員は、憂鬱です。
社長は、自分の仕事に没頭して、細かい技術は教えてはくれません。
ミスを繰り返して、しかられる制作社員もいます。
できるとなれば、どんどん仕事が立て込み、残業続きの制作社員もいます。
どっちにしても、私たち評価されていない!
だから、制作社員は、憂鬱です。
もっと憂鬱なのは、営業担当社員からの催促です。
社長でもないのに頭ごなしに期限を決めて、料金も勝手に決めてきてくる。
電話では、こちらの事情も斟酌せずに、お客のいい分にイエスマン。
どっちの社員だ!
自分の仕事を誠心誠意 行えば、お客様の評価が上がり会社は成長する。
社長は、そう信じて制作を続けていました。
会社の中心になる専門知識・専門技能を持っていさえすれば、事業は成り立つ
その道のプロであれば、その能力を生かす事業の経営者としてもプロになるハズ
だから、できない業務やしたくない業務は人を雇えばいいじゃない。
営業マンを雇ったのです。
営業社員は広告代理店を5店、順繰りに回って仕事をもらっていました。
たくさん契約がほしいと、納期が重複する案件も金額が低めの案件もとりました。
S社長は、やってもやっても終わらない感と自分の提案がお客様にうけていない感にイライラして、「安い仕事ばかりとるからだ!」と営業社員に怒鳴ったとたん
営業社員は退職していきました。
会社の社長さんには全く理不尽なことですが、商売は最終購入者が主役です。
営業担当者は、広告代理店をお客様と思って、お客様の声にイエスと答えます。
お客様である広告代理店の担当者がいいと思う企画を提案しました。
いい企画とは、広告代理店→メーカー→販社→小売店→最終購入者に評価される
ことです。
最終購入者の評価が低いと、HPを作った人も仕事も評価されないのです。
S社長は、月並みの仕事はしないと決めていました。
他とは違ういいものを提案したい、職人としてのプライドがあります。
「いいものを提案しているのに、なぜ理解しないんだ」とお客様つまり広告代理店と
営業担当者をせめていました。そして、ふがいないと自分で自分を責めました。
自社の商品の良さは何でしょうか?
社長も制作社員も営業社員も一緒に誇れる商品の良さは何なのか?
最新の専門知識?動画、SNSなどとの連携の良さ?
S社長の商品の良さを見抜いているのは、奥さんです。
S社長夫人の言葉、「…HP見た人が本当に商品の良さが、分かる」ページを造る
これは、女房のオセイジではありません。
今時の主婦は、夫作ったホームページでもダメなものはだめとハッキリ言います。
だって、的確な批評ができて 初めてママ友仲間からも信頼されるのですから。
HPで商品を見た主婦がこの商品のこと本当によくわかる。
買ってみようかな?と興味を引かれて、購入のページまでわかりやすく行き着く
文字も少しずつ大きさを変えて、ポイントの言葉は目につくのに、普通に見える
ご近所のネットユーザー、つまり最終購入者は身近にいて、評価も身近にあって
確認する機会があったのにキチンと聞いてなかったのです。
「まず、御社のHPをみせてください。」というと、S社長は、恥ずかしそうに
「実はまだ、、、、、」…なかったのです、S社長の会社のHP
当人は、制作に忙しくて造らなかった。
でも自社のよさを社長が認めなくてどうする!!社員が知らなくてどうする!
S社長は今ホームページを作り出しました。
社員を前に、自社のホームページ制作プレゼンテーションを行いました。
サービスであれ物販の仕事であれ、最終購入者の評価を見続けることが、
会社存続の基本です。お役に立つとは、必ずしも目の前の人ではなくて直接は見えないけれど、自社の商品の良さをわかる人を想像して行うことです。
社長、主婦は怖い!ぞ、ちゃんと見ていますよ~。