「今週の一言(いちげん)」第357話お金の色
Fromノグチ
連休前4月末の話です。預金通帳を使って経理を簡単にとお伝えした方から、連絡がありました。
「ノグチ先生、お久しぶりです。お元気?」
電話口のお客さまは、元気の良い声。
でも少し、イラついている感じです。
10年前でした。
この方に、簡単に資金繰りをしながら経営状態をつかめる方法として
「預金通帳決算書」のやり方をお伝えしたのです。
利益とお金
「預金通帳決算書」は、預金通帳を使って資金繰りと利益管理を簡便に行います。
取引通帳と納税・季節資金通帳、2つの通帳を使います。
取引通帳と言っても普通預金のお通帳、メインの通帳と思ってください。
ここから、毎月納税資金や、賞与支払いや社会保険など月の損益から外れる支払い分を納税・季節資金通帳に移動させます。期ずれする資金と投資財務資金の管理通帳です。
月次損益を把握しつつ、季節資金の手当てもしたい、それでもって簡単に!
小さな事業所向きに開発した方法でした。
財務管理とお金
この方法、うまく活用するにはコツが要ります。
通常の取引のお金と季節資金や納税資金の区分をすること。
新規の設備でお金を借りたときには、新たに返済用に通帳を増やしておくこと。
つまり、このお金が、本業のお金か?投資のお金か?納税・賞与のためのお金か?
このお金の色を見分けて、それぞれの預金通帳で管理します。
そうじゃなきゃ、借金したからお金が増えたのか、儲かったから増えたお金なのか、わからないでしょ。
「簡単って言ったから、私にでもできると思ったのに。」
「お金が増えているから、儲かっている。」
「お金がないから、利益はない。」
(だから納税なんてないハズ)
お金の色を見分ける
お金の色を見分けるのは、ちょっと難しいことです。
もう一度、本をお渡しして、手順を確認して頂きました。
「簡単じゃなかったのね。」
月一で、季節資金・納税資金を動かしてもらうこと、その金額は専門家に確認することは必須です。
お金には、色がついています。
―ノグチ
P.S.
経理の仕事、日々の現金出納簿から決算・3年間の事業計画・10年後の社債返還・上場などと、範疇が広いのです。会社の規模・業種に応じて経理が行う業務は変化していきます。
ですが、お金の色を見分ける、この技術は必ずついて廻ります。なぜなら、お金を増やすこと・利益を出すことこの2つが、経理の目的だからです。
お問い合わせは→ https://www.n-keiei.co.jp/inquiry