代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第260話2020年経営者が取り組むべきもの

Fromノグチ

みなさま、あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年末に一冊の写真集を頂戴いたしました。

この写真集は、東京都東久留米市にある登録有形文化財「村野家住宅」の四季が収まっています。著名な写真家の田沼武能氏が監修されています。

 

いい写真だね。と話すと

モノがいいからどう取っても絵になるよ。とは、写真が得意な人の感想。

100年住宅として、テレビ番組にも取り上げられたそうです。

 

この建物を後世に残そうと奔走したのは、平成25年にお亡くなりになった当主。

今は、当主夫人が、保存と運営に力を注いでいます。

 

この建物に思い入れがあるのは、私も当主の経理担当として、この保存案件にかかわったからです。当主は、この地域全体の緑の保全のために市街化調整区域として残す活動を始めました。

 

環境を守る、共有価値の創造

緑を守りたい。言うは簡単、実行は大変です。草木は、ほっておくとあおあおとした雑草が生い茂る土地になってしまいます。落ち葉の季節には、大量の落ち葉が道をふさぎます。人目が入らぬ土地は、ゴミ捨て場になり果てます。

 

『武蔵野の緑を残したい。』この活動に地域のボランティアが力を貸してくれました。ただ、自分の土地を守りたいだけの地主ではない、と地域の人たちが協力を申し出たのです。

 

地域全体の共有価値の創造残す戦略には、お金が必要です。建物を当主夫人が経営する会社所有にし、運営費を訪れる人たちの年会費で賄える仕組みにしました。ビジネスで取り組んで、問題を解決したのです。

 

社会貢献が、企業の価値を高める。

今日みなさまにお伝えしたいのは、企業の戦略としての社会貢献です。

 

地域の人たちが喜んで協力する社会的価値と、企業として地域に存続し続ける企業価値。その両立が、企業を存続させる大きな力なのです。

 

インターネットのおかげで、私たちは個人の権利を大きな声で叫ぶことができます。以前よりずっと、弱者の声を多に知らしめる力を得ています。ほしいのは、非難の声ですか?対立ですか?

 

経営者と労働者、工場と地域住民、大地主と賃貸人、対立する関係を作るのではなく、共に地域に関心をもって共存していく関係。

当主が望んだのは、いいものを持っているという所有の価値ではなく、地域全体で武蔵野の緑を守るというコンセプトの共有化。

 

ず~っと継続してほしいと思われる企業になる!

地域を味方にする方法、こっちの方が企業にとっても嬉しいですよね。

 

―ノグチ

 

P.S.

なんであんなに一生懸命に当主に協力できたんだろう?

写真集をもらったその夜、布団の中でうつうつ考えていたら、あー、当主の地域への貢献があったからだ。と気づいたのです。社会貢献ってみんなを巻き込む力があります。