「今週の一言(いちげん)」第253話ロスを防ぐと、なぜ夫婦仲がよくなるか。
Fromノグチ
2週間まえ経理セミナーに参加された経営者ご夫妻から、「経理の仕事がロス防止だなんて、初めて聞いた。」と話が出ました。
経理の仕事ときくと何を思い浮かべますか?
セミナーの冒頭で、おいでいただいた方に質問します。
現金出納簿をつける、試算表を作る、請求書を発行する、、、
皆さんからの意見をいただいたのちに、ノグチ経理の基本をお伝えします。
「ミス・ロス・不正を防ぎます、ごめんなさいが言えるうち」
会社の人間関係をよくする事、これが経理の基本です。
「ごめんなさいが言えるうち」は、わかるけど…
すると、参加の社長さんが話し出しました。
「確かに“ごめんなさいが言えるうち”は納得です。」
「うちの嫁さんは、現金出納でミスをしないようにしてるし、結果として不正が発生しないようにしているけれど、「ロス」の数字で関係が良くなるって考えてなかった。うちの店ロスって、たくさんあるよね。」
彼はパンの製造販売店、社長さんです。経理は奥様。
売上はあるのに、労働保険に払うお金がないと二人そろって参加されました。
「経理の仕事って、あの…なんたっけ帳面に領収書貼っているだけだろ」(笑)
「失礼ね、会計事務所の先生からそうしなさいって言われた通りしているのに」小さな会社の経理の仕事の大半が、支払った経費領収書の整理です。
消費税を間違いなく計算するため、会計事務所の下請けになってしまい、ロスをなくす手法を教えてもらっていない経理担当が大勢います。
ロスの数値化は、見たくない…
(ロスがあるとおっしゃいましたが、どんな?)
「原価率が、僕らの計算と決算書が全く違うんです。製造する前に試作して、工場長と共に計算しているから、一個当たりの原価と売値では利益が出るのに、お金がない。ロスが出ているってことですよね。」
(全部売切れれば計算通りですけれど、売れ残りがある?)
「いや、売れのこりは、パートのおばちゃんたちに持ち帰ってもらっている。」
(それは、利益を圧縮していますよ。売れのこりの数は押えていますか?)
「カウントしてなかったんですよ。経理がロスをカウントしてない。」
「毎日140種類も販売しています。個別には数字を拾えないです。
数字を拾うのが大変なのは、社長があれもこれもとパンの種類を増やしてきたからじゃない!」
「子供づれのお客様が買いに来て、このパンが欲しかったといわれたって俺に話すのは、君だろう!」
……
ロスは、材料のロス、生産時間分の人件費のロス、配送コストのロス、、どれもこれも社長にとっては見たくないし指摘されたくない数字です。
今時レジで、「見えるか」実現
どんな問題も「見える化」しないと、解決されないのです。
健康診断の血液検査やレントゲンは、問題を数値化して見える化します。
数字が見えるから、健康改善が実現します。
業務の数字も同じです。
ロスは数値化しないと、事業の資金を食い潰してしまいます。
さて、新しく導入したレジで、個数をカウントしました。
で、結果は?
レジの数字から生産個数を予測する体制になりました。
つまりロス削減、利益増・手元資金増です。
ねっ、社長と奥さんとの関係、夫婦中をよくするのが経理の仕事です。
―ノグチ
P.S
「売上がすべてを癒す」を掲げたダイエーは、倒産へと進みました。今事業を発展させたい中小企業が掲げる標語は、
「利益とお金をふやす会計が、すべてを癒す」