「今週の一言(いちげん)」第121話ダメセールスマンが普通になる、優秀なセールスマンがもっと成果をだす、 簡単だけど、確実な手法
「ウチはなんか不思議ではありませんか?この規模で営業マンはたったの7人ですよ。
社長にルーティンで回りきれないから、売上取りこぼしになるのでは、と言ったら、営業マンが多くいる会社ほど、たいがい取りこぼしていて、生産性が低いというんですよ。」
小さな企業が、効率良くセールスマンを育成する方法があります。
低コストで、効率的なサービスを提供できる方法があります。
営業に配属された二代目から、先生、聞いてイイですか?と声をかけられました。
入社して3年目、会社の業務の流れが理解できてくると、見えてくるものがあります。
他社と違っているように見えるところです。
いい業績を出している、それは分かる。
しかし、工場の設備投資には力を入れるのに、売上アップの営業に力を入れていない。
人の投資も足りていない、これでは後継者として、自分の代にはどうなるのか?
しかし、社長は、ウチの幹部と公言し役職を与えているのは、この営業部隊だ。
なんで、7人?
しかも、みな現場上がりで、営業のスキルなんて勉強していない人ばかり。
だから、いいんだ!
なぜ、それでいいのか、社長には直接聞けません。
お前は、全く分かっていない、工場へ行って視てこい!と一喝されるだけ。
販売成績に大きな差を生むのは、2つの大きな理由があります。
1つは、純粋に販売努力・営業スキルに関わる人の問題です。
もう一つは、当社の顧客の特徴を見抜いた顧客本位の営業体制の構築です。
後継者が指摘したのは、営業スキルを高めていくという人の問題。
しかし、社長が目指したのは、自社の今いる人材で、効率良くお客様に接触する営業体制の構築です。
当社は、地域密着型の中小企業です。
商圏は、大きくありません。
それでもお客様の中には大手企業の工場もあり、町の小さな商店・工場もあり、市町村といった公共団体もあります。
お客様を売上の規模・利益の規模・特性に分けて、販売チームを作っています。
チームと言っても、7つの業務区分に責任者一人営業事務の女性パート達、どのチームにも経理担当の社員が援助に入るという、柔軟で境界のゆるーいチームです。
仕事をする上で大事なのは、お金をいただくこと
売上額が増大するより、お金です。
社長は、金額を追っかけて、資金回収できなかった大きな失敗をしました。
「儲からないなら、昼寝していた方がイイ」が社長の口癖です。
どんなお客様も始めは「現金取引」です。
契約書を結びに、本社事務所においでいただきます。
女性事務員が、規定どおり期間限定の契約を結びます。
小口の80%のお客様は、この女性チームが、フォローします。
日々の受注もサービスの手配も、サービス完了後のフォロー電話も、本社の女性チームが一括管理です。
取引状態が平準化し、一定の売上がある場合には、一年ごと、もしくは2年の継続契約。
掛け売上・後日入金のシステムの利用も可能です。
お客様のご希望を聞いて、対処するのは女性メンバー達です。
中堅の取引先でも同様です。
契約には、おいでいただく。
部門の責任担当プラス女性メンバーです。
お客様には、営業からも、本社の女性担当からも電話が入る。
現場で実際にサービスを実施する担当者は、現場の情報が本社に報告される。
さて、大口です。
一度大きな契約に至った会社へは、7人の責任者が、一定ペースで訪問します。
一人の時もあれば、責任者2名の時もあります。
ココは!と言うときは、社長もご一緒に訪問です。
過去に売り上げがあったところは、またあるハズなのです。
すぐに注文が取れなくても、ず~っとお客さんでいてくれる。
それが、会社の財産だから、社長は手放しません。
7人のウチ誰が大口のお客様と相性がいいか?
社長が視ているのは、この点です。
人は、自分と同じような人が好き、
「オレは好かれない」
いいえ、いつもニコニコしている社長は誰からも好かれていますよ。
「オレのニコニコは、怒っても誰も聞いてくれないから、あきらめニコニコだよ。」
「凄いね、あいつらは、自分のお客を掴まえているよ。客が逃げなきゃいいんだ。」
小口のお客様からすると、電話で全て済ませてくれる。
社長は、平均思考をしません。
売上を分析すると、優秀な営業マンの20%が、売上の70%~80%を稼ぎ出すことがよくあります。
ところが、売上金額を総額で見てしまい、単に売上アップだけを考えると、平均化して、一人あたりで考えてしまう。
人を増やせば、売上が増えると思い込んでしまいます。
一人あたりの売上をあげようとして、優秀な営業担当者のスキルを活用したくなる。
優秀な営業担当者を現場から引き抜いて、先生にし、新人教育を始める。
結果として、売上を上げている部門から困難部門へ配転して、業績を悪化させてしまう。
今うまくいっている販売状況は、「絶対壊さない・変更しない」が大切です。
お客様の受けのイイ人を、営業に抜擢する。
もちろん、このお客様は、相手会社のキーマンのこと。
相手会社の支払担当者に受けがいいことが大事です。
優秀な営業マンのスキルを学ばせる、大きな販売戦略です。
しかし人材育成には、時間とお金と労力が必要です。
取扱商品と顧客層を売上規模や利益規模 取扱商品のセグメントで分けて、その構造にあった営業戦術に特化する。
大事なことなので、もう一度言います。
小さな企業が、効率良くセールスマンを育成する方法があります。
低コストで、効率的なサービスを提供できる方法があります。