代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第114話顧客層別アプローチで、確実に売上を積み上げる方法

「あ~、本当に一番外側にいるお客様にばかりアプローチしていたんですね。遠いわ~。リピートしないわけだわ~。どうにかなるかしらん、と店で待っていただけでは、ダメだとよく分かりました。

それに引き換え、親しそうに毎月やってくる常連客。毎回いろいろ言うから、スタッフにとって面倒な存在だったんですけど、この常連客の要望を、商品開発サービス開発のヒントとして聞いたら、生まれますよね、新しい商品もサービスも。

お客様を区分するこの表、良く分かりました。」

 

「新規顧客のリピート率が悪い」という悩みを持たれて、弊社勉強会においでいただいたサロン経営者から、納得したと感想をいただいた表があります。

お客様との距離感」の表です。

 

お店・会社を中心にして、その外側に1から6の輪があります。

輪には内側から順に

1.家族・身内・知人

2.優良顧客・常連客

3.休眠客・過去客

4.一回客・初めて客

5.既存客の近所市場

6.外部市場・新媒体

 

外側に向かうほど、お客様の気持ち・心理的距離は、遠のいていきます。

 

この表を作ったのには、理由があります。

 

新規顧客獲得のご相談に来られる多くの社長さんの最初の一言は、

「ウチはHペッパーとパドと、過去には○○新聞に広告出しているのですか、反応率がだいぶ悪くなっていて、どこを使っていけばいいですか?」

 

新規獲得は、会社の永遠のテーマです。

社長さんの不動の重要関心事の1つです。

 

会社は、売り上げて、利益を出すのが目的です。

目的達成には、利益をたくさん下さるお客様を、少ない費用で獲得する、これが成功の方程式です。

 

会社が儲かるために社長がすべきことは、利益貢献度の大きいお客様を特定して、どのきっかけで当社のお客様になったか、そのお客様の獲得媒体時期手法を確認し、この効率の良い手法を、全社員が再現できるようにすることです。

 

そこで、社長さんへの 私の質問は、2つです。

1.今までの媒体ごとの費用と反応率

2.当社への利益貢献度層ごとに、どの媒体からお客様になられたかの実数

 

媒体ごとの反応率は控えていらっしゃる社長さんであっても、お客様の区分は大まかな男女比だけ、利益貢献度の階層区分、集計はしていない場合がほとんどです。

もっと言えば、お客様にも区分があるとは、思っていない社長さんも多いのです。

 

売上の方程式は、客単価×客数=売上

「先生、ウチは客単価5000円です。計算はもう出来ています。」

お客様の区分をしていない社長さんのお答えです。

 

年間売上を全購入客数で割る計算式では、どのお客様も同じ客単価になります。

自社への利益貢献度を測る、顧客生涯価値という計算をすると、お客様の層には、大きな違いが出てきます。

 

一回コッキリの5000円のお客様と、毎月5000円の購入をしもう3年も継続して取引のあるお客様と、スタッフの対応に違いがない。

これは、利益貢献度で考えると、大間違いだと分かります。

 

「なぜ、私の扱いは周りの客と同じなの!」

決してナッツ姫の言葉ではありません。

ごく普通の常連客の心理、常連客の心の声です。

 

お客様の価値は、一回コッキリの客単価のみでは現せません。

繰り返し買っていただける購入頻度、お客様でいていただける関係性の期間、さらにお客様を紹介していただける効用も含めて顧客価値です。

 

宣伝費用が不要で、しかも同じく宣伝費用をかけずに紹介客を連れてくる。

この利益を評価しなければ、こんなお店止めてやる!と言われかねません。

 

お客様が感じる距離感は、地理的距離より心理的距離です。

1.家族・身内・知人  … お願いを聞いてもらえる間柄

2.優良顧客・常連客  … お店の文化の共有と「あなただけ」の特別感

3.休眠客・過去客   … 思い出してほしい・覚えていて欲しい仲間

4.一回客・初めて客  … 新しい知識・関係に淡い期待

5.既存客の近所市場  … ご近所の「信頼」「良い評判」

6.外部市場・新媒体  … まだ接点のないお客様、広告・労力・要資金

 

売上予算をたて、客単価で割って、客数目標を立てる。

客単価で目標を造ると、来店者数をひたすら追っかける経営になります。

客数を増やさなければ!

そこで、どの媒体を使うべきか、お金の支払先ばかり選びはじめます。

 

ちょっと待って下さい!!

一回コッキリを追いかけて、今月はなんとかなっても、来月も同じですよ。

また、新規の反応率がと嘆くだけになりませんか?

 

社長さん、もうこれ以上広告にお金をかけなくても、確実に売上を伸ばしていける方法がほしいと思いませんか?

そこで、「お客様との距離感」の表が役にたちます。

 

確実に売上が上がる順番があります。

心理的距離が近いほど、購入への働きかけに応じる反応率は高まります。

お客様の心理をくみ取っているから、アプローチが効果的なのです。

 

1.家族・身内・知人  … お願いをする。

2.優良顧客・常連客  …「あなただけ」特別感の演出・お裾分けプレゼント

3.休眠客・過去客   … イベントへのご招待・個別の熱いメッセージ

4.一回客・初めて客  … 商品情報や興味を持ってもらえる話題定期通信

5.既存客の近所市場  …「良い評判」を使った両隣DM+ご近所割引

6.外部市場・新媒体  … 反応率のよい広告

 

あなたが、お客様の役に立つ企画を立てれば、お客様の喜びの声が聞こえます。

売上はその喜びの声に、傅いてやってきます。

お金が欲しい売上が欲しいと声をかけると、みんなそっぽを向いてしまいます。

 

ウチは、BtoBだから、この表は使えない!と思っていませんか?

いいえ、購入を決めるのは、人です。

BtoCでもBtoBでも、顧客データを区分する方法は同じです。

 

大量生産して大量消費する時代は終わりました。

大量生産して、マスメディアを使って大々的な広告をし、売る時代は終わりました。

 

インターネット、ITOAI、ブロックチェーン、今世界は、価値観を共有するつながりでモノを買い、顧客ニーズから個別少量生産販売の時代へ移行しています。

中小企業は、自社の顧客の好みに合わせて限定商品で勝負できる時代が来ました。

 

商品サービスの機能を競った時代から、顧客獲得を競う時代へ移行しています。

売上を上げるのは、顧客を獲得する施策、保持する施策にかかっている時代です。

 

確実に売上を上げたい!

であれば、まずすべきは自社の顧客層を自社の分類基準で区分する事。

次に、顧客層の心理的距離感、顧客層ごとのアプローチ法を使うことです。

 

さあ、顧客の気持ちが他社に移らないように、早速会話を始めて下さい。

お店に来て欲しい、その想いを顧客階層別アプローチで、実践して下さい。

努々、一律一斉メールなどは、なされませんようお気をつけ下さい。